第11回 2012.11.05
父から教わった帽子の温もり
帽子工房OKAYA(岡屋洋服店)
店長 五十嵐昌子氏
今回は、手紡ぎ・手織りの店 帽子工房を山口市鋳銭司に構え通販を展開する 岡屋洋服店の五十嵐さんに帽子の魅力をお聞きしました。
- 帽子作家になられたきっかけは?
- 実家が洋服店を営んでいたので自分が継ぐものと思っていましたが、学生時代に関西で洋裁と彫金を学び、そこで家庭をもちました。
当時は実家のことが気にかかりながらも、神戸の宝石店でのお客様との触れ合いが楽しい毎日でした。
そして8年前に帰郷しました。
帰ってきて早々父が病気で入院し、母と2人で店を切り盛りすることになりました。父が洋服の合間に作っていた帽子が好評で(病院でも帽子をかぶっていました)たちまち在庫がなくなりました。この日から、私の帽子作家の道が本格的に始まりました。
- 帽子作りでこだわっていることは何でしょうか?
- 手紡ぎ、手織りにこだわり1点ずつ丁寧に作っています。
昨年、東京で作品を披露する機会に恵まれ、母と二人で30点を用意しました。手作りなので時間がかかる作業でしたがどうにか間に合い東京に送り出しましたが、東日本大震災が発生しイベントが中止になりました。しばらくは虚脱感に見舞われていましたが、ギャラリーナカノさんの御配慮で山口での展示会を開催することが出来ました。おかげで山口でより多くの方々に知っていただく機会に恵まれました。
手作りの商品達は、お客様に選ばれることを待っていたかのように、その人の頭に気持ち良く乗っています。帽子って意外と全身が温まりまることをご存知ですか。手作りなので本当に少しずつですが、この温もりが広がっていくことを願って今後も帽子作りに励みます。
・・・・・インタビューを終えて
「帽子は体だけではなく心も温めてくれます。」と語ってくれた五十嵐さん。お父さんから引き継いだ温もりは山口から少しずつですが確実に広がっています。東京での個展が開催される日も近いと思いました。
店舗改装中のお忙しい中お話頂き有難うございました。